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【研究論文紹介】新しい論文をアップしました

【横断研究】硫化水素が歯周病患者の口臭のバイオマーカーとして使用できる可能性がある

 

  揮発性硫黄化合物の濃度を測定し、歯肉炎および歯周炎患者における口臭の発生を調査することを目的とした。

 さらに、口臭を有する患者における歯肉炎および歯周炎の罹患率を調査した。

 健常対照者33名、歯肉炎患者43名、歯周炎患者28名の計194名(女性52名、男性52名、平均年齢46.49±16.03歳)が登録された。代表的なVSCである硫化水素(H2S)とメチルメルカプタン(CH3SH)の測定にはガスクロマトグラフィーを用いた。

 VSC総量は、健常対照群に比べ歯肉炎群で有意に高かった。

 H2S濃度は歯肉炎群および歯周炎群で健常対照群より有意に高く、CH3SH濃度は歯肉炎群で健常対照群より有意に高かった(いずれもp<0.05)。

 口臭は健常対照群では3%、歯肉炎患者群では39.5%、歯周炎患者群では42.9%に認められ、歯肉炎群および歯周炎群では健常対照群に比べて有意に高かった(p = 0.005)。

 逆に口臭のある参加者では、53.1%が歯肉炎、37.5%が歯周炎、90.6%が歯周病であった。

 歯周病の存在は口臭の確率を3.607倍に増加させた。

 これらの結果は、H2Sが歯周病患者の口臭のバイオマーカーとして使用できることを示唆している。

▶論文情報

Scientific Reports volume 13, Article number: 13175 (2023) 

発行日:2023年8月14日

  

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